ドローンを支える無線通信技術

先日、とあるイベントに行ってきました。夜にはドローンショーも予定されていて楽しみにしていたのですが、“強風のため中止“のアナウンスが…。ドローンは風雨や雷など天候の影響を受けやすいので、天気予報を確認しておくと良さそうですね。
ドローンは用途やサービスなどに注目が集まっていますが、これらの基盤の一つが無線通信技術です。本記事では、ドローンの主要な用途から、ドローン運用に不可欠な無線技術の課題、そして安全な運用を実現するための電波環境評価の動向についてご紹介します。
※本記事の内容は2025年11月時点の内容になります。
ドローンの活用先
ドローン(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)の活用先は、ドローンショーなどのコンシューマ向けから物流、農業、災害対応の産業用途向けへと多岐にわたる分野で急速に広がっています。特に日本国内では、国の主導により、ドローンを活用した新たな社会インフラの構築が進められています。
ドローンの代表的な用途は以下の通りです。
- 点検・空撮:橋梁や送電線などのインフラや建築物の点検、映像制作・報道分野での空撮
- 輸送・物流:離島や山間部への物資輸送、都市内配送の実証実験など
- 農業:農薬散布や作物生育状況のモニタリング、精密農業への応用
- 災害対策:被災地での情報収集、救援物資の輸送、危険地域へのアクセス
これらの分野でドローン活用が進むにつれ、運用に必要な電波環境や無線通信インフラの整備が、より一層重要になります。
ドローンで利用される無線技術の課題
ドローンの飛行・運用には、スマートフォンと同様に無線LAN、4G、5Gなど、さまざまな無線通信技術が活用されています。しかし、ドローンは上空を移動するため、通信環境には高度特有の伝搬特性や通信品質の維持といった課題が存在します。
基地局と上空ドローンとの通信
一般的な移動体通信網(4G/5G)は、地表付近の端末向けに設計されており、基地局は地上へ向けて電波を放射しています。そのため、上空のドローンとの通信は従来困難と考えられていました。しかし、近年の実験では、120m以下の低高度では想定以上に強い電波強度が観測され、通信不能リスクは大きくないことが明らかになっています。
複数基地局からの電波干渉
上空では複数の基地局から強い電波が到達するため、ドローンが通信する基地局以外からの電波干渉が発生しやすくなります。地上のスマートフォンの場合、隣接基地局の電波は限定的ですが、ドローンは広い範囲で複数基地局の電波を受信するため、通信品質の低下や途絶が生じる可能性があります。
電波環境評価と検証例
こうした課題に対応するため、実際の飛行ルート上で電波環境を評価する取り組みが進められています。たとえば、スペクトラムアナライザを搭載したドローンを用いて、飛行ルート上の妨害波・干渉波の測定が行われています。また、エリアごとの電波強度や通信品質測定、地図上への電波状況マッピングなどの実証が行われています。
ホワイトペーパー「UAV(ドローン)の現状と適用される無線通信技術の動向」では、さらに詳しく解説しています。
電波環境評価に関する測定について、こちらでもご紹介しています。
- 妨害波・干渉波テストソリューション
- リーフレット:ドローンの社会実装に向けたアンリツの取り組み(※PDFが直接開きます)